このページは掲載イメージをご覧いただくためのサンプル記事です(団体は架空です)

玄関のチャイムを鳴らして、返事があるまでの数秒。メンバーはこの瞬間がいちばん緊張するという。「はーい」の声が聞こえたら、今日も大丈夫。ドアが開いたら、まず一言。「元気にしてました?」

なにをしている団体?

団地と周辺地域でひとり暮らしをする高齢者のお宅を、2人1組で月2回訪問しています。現在の見守り先は73世帯。玄関先で世間話をして、頼まれれば電球の交換や回覧板の説明も。滞在は1軒15分ほどですが、「異変の察知」がいちばんの役目です。新聞が溜まっていないか、声に張りがあるか。気になるサインがあれば、地域包括支援センターへすぐつなぎます。

写真①(団体提供):訪問前のミーティングのようす

はじまりの物語

2015年の夏、同じ団地で孤独死がありました。亡くなってから発見まで11日。葬儀のあと、自治会の集まりで誰かが言いました。「隣に住んでいたのに、名前しか知らなかった」。その悔しさが、この団体の原点です。

最初は自治会の有志6人の「声かけ当番」でした。続けるうちに隣の町からも「うちの地区でもやってほしい」と声がかかり、活動を止めないためにNPO法人にしました。

いちばん、うれしかった瞬間

見守り先の90歳の女性に言われた一言です。「あんたらが来る日は、朝から玄関を掃除するんや」。訪問される側だったその人は、いま集会所のお茶会で「お茶を淹れる係」をしてくれています。守られる人が、誰かの居場所をつくる人になる。この仕事の答えを全部もらった気がしました。

写真②(団体提供):集会所の月例お茶会

いま、困っていること

見守りを待つ世帯のリストは伸びる一方なのに、訪問員が足りません。現在12名の訪問員のうち半数が70代。交通費すら自己負担でお願いしている状態で、若い世代に「手伝って」と言い出せずにいます。活動を紹介できるホームページもなく、行政や社協に説明するたび、手書きの資料をコピーして渡しています。

これからやりたいこと

見守り記録を紙のノートからスマホでの簡単入力に変えて、訪問員の負担を減らしたい。そして「月1回、1軒だけ」から参加できる仕組みをつくり、現役世代や学生にも扉を開きたい。11日間、誰にも気づかれない人を、この町から二度と出さないために。