午後4時、商店街の角の小さな一軒家に「ただいまー」と声が響く。ここは学童でも塾でもない。でも子どもたちは、当たり前のように「ただいま」と言って入ってくる。
なにをしている団体?
週3日(月・水・金)の夕方、こども食堂と無料の学習室を開いています。対象は小学1年生から中学3年生まで。夕食はボランティアの手づくりで、宿題を見てくれる大学生のお兄さん・お姉さんもいます。登録児童は現在42名。共働き家庭やひとり親家庭の子が中心ですが、「誰でも来ていい場所」であることを大切にしています。
はじまりの物語
きっかけは、理事長が町内会の見回りで出会ったひとりの小学生でした。夜7時、公園のベンチでひとり、母親の帰りを待っていた。「うちに来てごはん食べる?」——その一言から、自宅の台所で始まった週1回の夕食会が、6年かけて今の形になりました。
「立派な理念があって始めたわけじゃないんです。目の前の子に、ごはんを食べさせたかった。それだけなんです」
いちばん、うれしかった瞬間
開設1年目から通っていた子が、この春、高校生になって戻ってきたことです。「今度は教える側をやらせてください」と。いま彼は毎週金曜日、小学生に算数を教えています。もらった側が、返す側になる。この循環が生まれた日のことは、スタッフ全員が忘れられません。
いま、困っていること
食材費の高騰と、平日の昼間に動けるボランティアの不足です。特に調理担当の高齢化が進んでおり、月・水の夕食提供を隔週にせざるを得ないか、検討が続いています。運営資金は会費と寄付が頼りで、広報にかける人手はゼロ。「活動を知ってもらう」こと自体が、いちばんの課題です。
これからやりたいこと
中学生の「その先」を支えたい。高校受験の情報が家庭に届いていない子が多く、進路相談会を年2回開くことが次の目標です。それから、いつかこの活動を隣の学区にも。「ただいま」と言える場所が、歩いて行ける距離に必ずひとつある町にしたいのです。